婚姻届と不埒な同棲

「褒めてないからね」

「とにかく!
俺は萩花と結婚する。
イエス以外は聞かねーよ」

「そんなこと急に言われてもさ…」

「じゃ、俺の荷物もこの部屋に運ぶから」

「はい?」

たしかに、私1人で使うには広すぎる。

ここで拓斗くんも一緒に過ごすってこと?

「ちょっと待って!」

部屋から出て行こうとする拓斗くんの腕を引っ張って止める。

こんなに腕、しっかりしてるんだ。

明らかに昔とは違う成人男性の腕の逞しさに一瞬動揺して動きが止まる。

でも、言わなきゃならないことがある。