婚姻届と不埒な同棲

一度大きく息を吐く。

くっと背筋に力を入れ、真っ直ぐ前を向いた。

「ごめんなさい。

私、あなたと結婚できません。

それに、今さらお祖母さんの家に戻るつもりもありません。

私は、飯盛家から離れるつもりなんてありませんから!」

震える拳を握りしめて、最後まで言ってやった。

今まで私の存在なんて気にもとめていなかった全員の目がこちらを向く。

「あなたは黙ってなさい」

制止されても、もう意味はない。
相手方の怒りで空気が張りつめているんだから。