婚姻届と不埒な同棲

ふと思い出すのは、メイドの私と高校生の拓斗くんとの何気ないやり取り。

拓斗くんが、社会福祉についての小論文を書いていたときだった。

「幼くして両親を亡くしたら本当に大変なのよね。
高校生でさえ、どうしていいかわからなかったんだもん。
その日から人生が一変するし、自分も変わってしまう。そうしないと生きていけないから」

「萩花が両親亡くしたの、今の俺と同じ年齢か…。

想像もつかねーな。家族がいなくなるなんて」

「うん…。
まさか自分が1人取り残されるなんて思ってもみなかった」

「だよな…」

「ごめんね。なんか重い話になっちゃったね」

こんな空気にしたかった訳じゃなくて、無理矢理明るく振る舞う。