婚姻届と不埒な同棲

「あなたが何を言おうと、避けられません。
ほら、到着しました」

「ですから、…きゃっ」

また黒服の男性に抱えられ、車の外へ連れ出された。

「ここで待っていてください」

今度は料亭らしき建物の一室へ放り込まれた。

「いたたた…」

どうしよう。
外に出られたときには、その錦織さんとやらとの顔合わせ。

…納得できない。

今なら言えるかも。
金持ちの考えることはわからない。

いや、祖母の考えてることはわからない。
家の繁栄の為とはいえ、こんなやり方許される訳がない。

拓斗くんにも連絡がいったのかな…。
私と同じように驚いて、現実から目を背けたくなってるところかもしれない。

“結婚”

同じ言葉なのに、拓斗くんから言われるのと、祖母から告げられるものでは全然感じ方が違う。