婚姻届と不埒な同棲

仮に、私がこの人の孫だとして、この人は、私を見ず知らずの男性と結婚させようとしてるの?

そんなの、どうかしてる。

「急にそんなこと言われても困ります。

今すぐ降ろしてください」

だが、返事は運転席からだった。

「高垣家にいる未婚者は現在、男性が2人。
錦織グループと手を組みたいと考えたのですが、錦織家には未婚の男性が1人。
結婚での相互援助は厳しいと思われました。

しかし、あなたに白羽の矢が立った。
あなたは紛れもなく高垣家の血を引く者です。この家を継ぐ権利があり、繁栄させる義務があるのです」

何よ、さっきから。

勝手な言い分に耐え難い怒りが湧きあがる。

「ふざけないで!

両親が亡くなったとき、葬儀にも来なかったじゃないですか。
今まで縁を切っておいて、女が必要になったから戻って来いだなんて勝手すぎる。

私は、あなたたちに利用されるつもりなんかありません」

手足が縛られてなかったら殴ってやりたかった。