それから家の帰ると、どこかへ出掛けようとする早苗さんと出くわした。

今、対面してしまうなんて…。どんなことを言われるのかは大体想像がつく。

「あら。2人揃って朝帰り?

んふふ。若いわね」

ぽんと肩を叩かれる。

わかってるわよ。
これ以上はあえて何も言わないであげる。

そんな心の声が聞こえてくる。

含みのある笑みに、こちらは苦笑いでしか返せなかった。