「つぼみ、お前、絵上手いか?」
望夢が不安そうな声で言った。そう、そこが
問題なの。私、森口つぼみは、大変絵が苦手
なのです。
「全然うまくない。むしろ下手。なんなら
画伯。望夢は?」
「得意そうに見えるか?」
見えない。お世辞にも見えるとは言えない。
私は全力で自分の首を横に振った。失礼だと
も思いながら。とりあえず望夢はハチマキの
デザイン、私はリストバンドのデザインを考
えることになった。......。思いつかない
なぁ。こういうのは才能が命なんだよ。
ふと向かい合う望夢に視線を向けた。望夢っ
て今よく見るとかっこいいな。サラサラの少
し茶色がかった前髪の間からは涼しげな二重
望夢が不安そうな声で言った。そう、そこが
問題なの。私、森口つぼみは、大変絵が苦手
なのです。
「全然うまくない。むしろ下手。なんなら
画伯。望夢は?」
「得意そうに見えるか?」
見えない。お世辞にも見えるとは言えない。
私は全力で自分の首を横に振った。失礼だと
も思いながら。とりあえず望夢はハチマキの
デザイン、私はリストバンドのデザインを考
えることになった。......。思いつかない
なぁ。こういうのは才能が命なんだよ。
ふと向かい合う望夢に視線を向けた。望夢っ
て今よく見るとかっこいいな。サラサラの少
し茶色がかった前髪の間からは涼しげな二重



