私は廊下を走り、小鈴ちゃんの肩を叩く。

 「どうしたの?」

にこりと微笑み首を傾げた。
ああ、やっぱり敵わない。

 「ちょっと来てー!!」

 「ん、いいよ!」

ぺたぺたと効果音がしそうな歩き方で
私の数歩後ろを着いてくる。


 「ねぇ、小鈴ちゃん好きな人居るの?」

 「いないよ!」

けらけらと笑い彼女はそう答える。
ほら、ポンとは接し方が違う。

 「じゃあ気になる人は?」

 「どうだろうね。
  私初恋まだだからさ。」

希望に添えなくてごめんね、と彼女は言う。

 「大丈夫!ありがと!」

私はそう言って笑い踵を返した。

小鈴ちゃんに背を向けた瞬間顔が歪む。
自分の醜さに腹が立つ。

ごめんね自分。

私は自分の気持ちに嘘を吐いても

好きな人を応援するしたいんだ。