「あ、おはよポン太。」

青いリュックを置いて私はそう言った。
教室には二人しか居ない。

ポン太こと本条夏樹は私の事を睨んだ。

 「なんだよ沖波。」

私の名前を呼んで睨んだ瞳を細め笑った。
まだ他の人は部活の最中なのか、
校庭には人が沢山居る。

 「ポン太部活は?」

 「寝坊した。
  いいねぇ文化部は楽で。」

「嫌味かぁ?」と私は溢す。
私の黒い眼鏡を取ると掛けてにやりとする。

 「嫌味に決まってるでしょ?」

 「性格悪いな貴様ぁ。」

あはは、と私は苦笑いをする。
そうかなぁ?と惚けるポン太に蹴りを入れた。

 「容赦ないな!」

 「んー?しらなーい!」

どん、と頭を小突かれる。
「痛いな!」私がそう言おうとする前に
クラスメイトが教室に入ってきた。

 「おはよーポンと小鈴ちゃん!」

 「おはよ白亜。」

 「おはよう白亜ちゃん。」

部活が終わったのか人がぞろぞろと来る。
扉の外で友達が溜まっているのを見て
ふらふらと私は教室を出た。