「なんで杏奈、大好きな奏君と喋ってるのに泣きそうになってるのよ」
やっぱりそうだ。
未希は気付いていたのだった。
一瞬、失恋したと言いそうになったのだけども、まだそうと決まったわけじゃない。
本人から桜庭さんのことが好きだとか、私のことは好きじゃないとか言われた訳じゃない。
私が勝手な想像をして、私が勝手に落ち込んでいただけだから。
それにもしそうだとしても失恋したと認めたくないし、言いたくなかった。
私の変なプライドが邪魔をしていた。
だから、
「別に未希には関係ないでしょ!」
せっかく心配してくれている大事な大事な友達を突き放してしまった。
