時を遡ること、昨日のこと。

昨日は大学の研究室での飲み会だった。

だけど私はお酒は苦手だったから、席の端っこでちびちびとゆっくりジュースを飲んでいた。

研究室の中に私と同じようにお酒が苦手な先輩がいて、彼と一緒にいた。

優しくて、爽やかで、人当たりの良いかっこいい先輩。

大学内でもちょっと有名になるくらいのかっこよさで、先輩を狙っている女の子は数少ないと噂だ。

実は、私も先輩のことをいいなって思っている一員だ。


だから、昨日は先輩と一緒にいられて、話すことができて嬉しかった。

お酒は飲んでいなかったけれど、空気に混ざっていたのか私もほろ酔い気分で、変な勇気を持っちゃって、普段は話す機会がないからと何度も先輩と話した。

にこにこして私のつまらない話にも笑ってくれた先輩。

先輩と話すたびに、私は先輩のことが好きになった。

なんて、ちょろいんだろう。




だけど、突然楽しい時間は終わった。


クラリと視界が歪み、机へ倒れる。


お酒は飲んでいなかったのにどうして?


その疑問に答えるかのように、先輩の唇が『ごめんね』と紡いだのが見えた。