「よし、なんとかしましょう」


アラシが長いかぎしっぽをピンと張って言いました。


「僕らがくじを作りましょう。今日の夜、お待ちしておりますよ」


「本当ですか? ありがとうございます!」


ヒキガエルはにっこり笑い、懐から小さな包みを取り出しました。


「これはお礼の品です。どうぞ、よろしくお願いします」


そっとアラシの手にそれを渡し、ヒキガエルは音もなく扉の向こうに消えていきました。


「お兄ちゃん、どうするの?」


「だって、あんなに困っているんだから、放っておけないじゃないか。どうするかはこれから考えるさ」


呑気に言うと、アラシはヒキガエルの置き土産に目を落としました。
葉っぱとツルで綺麗な小包のようにしてあります。
中を開くと、小判が三枚。どんぐりみたいな大きさです。


「うわぁ、綺麗」


小判を見ていたナギが、ふと顔を輝かせました。


「そうだ、当たりを包んだ料理を作ろうよ」


「ナギ、それはいいね。今日は寒いから、ロールキャベツなんてどう?」


「お兄ちゃん、それはいいわね。トマトソースがいいわね」


さあ、メニューが決まりました。