ほろ酔いになったカエルたちは「ごちそうさま」と口々に言い、席を立ちます。
ヒキガエルが深々とお辞儀をしました。


「おかげで助かりました。これで私とお殿様がズルをしたわけではないと信じてもらえました」


すると、トノサマガエルが言います。


「ありがたや。心から礼を言う。疑いが晴れて嬉しく思うぞ。それにたいそう美味であった!」


そしてロールキャベツの中から出てきた小判を差し出しました。


「これはお礼として渡したもの。とっておきなさい」


ナギが受け取ると、トノサマガエルは満足そうです。


「これからは毎年、ここでくじ引きをお願いしよう。欲しい褒美があれば、なんなりと申してみよ」


「それではお殿様」と、アラシが進み出ます。


「僕たちは小判ではなく鰹節が欲しいのです。この小判は来年の当たりとしてまた使わせていただきます」


「なに、鰹節とな?」


「はい。それで美味しい出汁をとって、お正月にお雑煮とお煮しめを作れますからね」


トノサマガエルは目を丸くし、そして高らかに笑い出しました。


「なるほど、猫に小判とはよく言ったものだ。あいわかった! とっておきの鰹節を用意しよう」