入った時何かにぶつかった。

「あ、ごめんな。大丈夫か?」

「あ、はい。大丈夫です。」

どうやらこのクラスの女の子とぶつかってしまったようだ。

なんともなさそうだし、教壇の前に行こうとするが、彼女はその場から動かない。

「どーした?授業始めるぞ?」

「あー、えーっと、その、お、お腹いたくて、ほ、保健室に行こーうと………。」

だが彼女は顔色も悪くないし、お腹がいたそうにもなかった。

つまり、彼女は嘘をついてサボろうとしている。

こうなったら俺は……

「1番最初の授業からサボったら、この先やっていけなくなるぞ。」

脅しではない。

やれば出来る子達ならやらせるしかない!

彼女は「すいませんでした。」と言い、しゅんとしながら席についた。

やっぱりサボりか。

彼女には要注意しなきゃだな。

これが俺と杏里の出会いだった。