奈津たちが帰った後
窓の外を見ながらボーッとしていた
久しぶりな事が多くて、なんだか学校にいた頃が昔に感じる
私はどうしてここにいるんだろう
どうして車椅子に座っているんだろう
一緒に部活をしていた仲間が
遠く感じた
「…もう、忘れたはず、なのに」
堪えていた涙が出てきそうになる
「未来」
ドアの方で声がして振り返る
「遥人くん…」
「友達帰ったんだね」
慣れたように手荷物を置いてイスに座った
隣に私が座れるように開けて
私は車椅子から立って
ゆっくり歩きながら話した
「うん。長居は、良くないって」
「未来の事を考えて、か」