「先生!子供生まれたんですか!いたなら教えてくださいよー!おめでとうございます!」

と、表面上は祝福しておいた。
でも、私はバイトが終わってすぐに着替えもせずに、裏の駐車場で友達に電話をかけて、「浅野先生、子供生まれたぁー。」と大泣きした。

おめでたいことなのに、喜べない自分も嫌だけど、でもそれ以上に寂しくなった。遠い存在がさらに遠くなった。もう諦める以外に何もなくなってしまったのだ。

私なんか先生にとってみれば生徒でしかなかったのに、それを勘違いして、一方的な感情だけで動いてしまっていた。それが悪い。

でも、まだ…先生の事は忘れられなかった。