彼と愛のレベル上げ

繋いでいる手を一度ギュって握りなおしてから主任は、


「要するに、モモのことかわいくて仕方がないってことですよ」


「なっ、」


またそんな余裕な表情でこっちが恥ずかしくなるような事をさらっと。


「わかりましたか?」

「わかりませんっ」


ハハって隣で笑っている主任。

だから、いちいちそういうことでドキドキさせないでくださいっ。


月に一度しか会えなくて、今回は挨拶の事もあって無理して時間作って会いに来てくれたけど。

主任の言う恋人同士になってから三カ月のうちに数えるぐらいしか会えてなくて。

電話とかメールとかそういうんじゃなくて、やっぱり実際に会うとなるとまだまだ付き合いたてみたいな感じになっちゃうのは……

私が25にもなって精神的に子供なせい?



繋がれたままの手にドキドキするし。

耳元でモモって呼ばれたら心臓飛び出しそうだし。

キス、とか…それ以上の事とか……

考えるだけでぷしゅーって湯気出そうなのに。


「モモ?そろそろ戻ってきてほしいんですけど?」

「へ?あ、」


また自分の妄想に入り込んでてすっかり隣にいる主任の事忘れてた。

忘れてたって言うか主任の事考えてたんだけど。

だってこんな風に隣にいられる事が今だってほんとに夢みたいで。


「妄想の中の俺じゃなくて、現実の俺を見て欲しいんですけどね」


少しあきれた様子で言う主任。

そうだけどね。

だんだんと慣れていければいいとは思ってはいるんですけどね。


「そういえば、」


急に思い出したように言う主任。


「さっきモモの家に来ていたのは伯母さんといとこ?」

「はいっ、母の姉なんですけど。ちっちゃい頃から良くしてもらってて今でも良く家に遊びに来てくれるんです」

「へー。そうなんだ」

「今日も近くに用事があったから来てくれたみたいで……」


私が話している途中で主任が何かつぶやいた。よく聞こえなくて話をやめて聞き返す。



「まさか、初恋の相手とか?」

「…ぇ?」


今度はしっかり聞こえてきたけど、主任の言ったことが当たっているだけにどう答えていいかわからない。


「あー、えっと……、」

「……そうなんだ」


ここで違うって言ってもいけない気がして


「でも、そんなの。子供の頃の話し、ですよ?」

「子供の頃、ねぇ……」


初恋の人は潤兄。

それは事実だけど、でも今は私には主任しか見えてないんから。