彼と愛のレベル上げ

主任に名前を呼ばれて反射的に返事をする。


「はいっ」

『モモは会いたいって思ってくれないんですね…』

「やっ、それは、ちがっ」

『無理しなくていいです』

「あのっ、だから、その…金曜日ご迷惑じゃなければ…えと。」

『モモ、』

「…はい」

『会いたいから来たいって言えばいいんですよ?』


諭すように言われて戸惑う。


「え…?」

『違うんですか?』

「え、でも、あのっ」

『迷惑なんて思わないと先ほども言いました』

「えと、……会いに行ってもいいんですか?」

『最初からそのつもりでしたよ』


え、だったら先にそう言ってくれたら良かったのに。
上手に言えなくてしどろもどろで、しまいには主任に言われるなんて。


「だったらっ」

『モモの口から会いたいって聞きたかっただけです』

「…っ。」


いつだって会いたいって思ってて、
でも口に出して言えなくて

……言ってもいいの?


『早く会いたいですね、モモ?』

「はい、楽しみに……ぁ」

『どうしました?』

「あー、鈴木さんに電車とホテルの手配一緒にしてくれるって言われて」

『行きは仕方がありませんが帰りは友達に会うとでも言って断ってください』

「あ、そうですよね?はいっ、わかりました」


主任と話をしてしまえばたいしたことなかったみたいに問題は片づいた。


『俺としては鈴木君にも言いふらしたいぐらいですけどね?』

「え?」

『モモが主任の家に泊まるので帰りのチケットはいいですって言ってくれてもいいですよ?』


はい?!
まさかっ私の口からそんな事言えるはずがないっ


「や、それは…」

『仕事に差し支えるのなら我慢しますが、』


差し支えるどころか何を言われるかわからない。
そんなの無理。


「はい、すみません」


この時は自分の事で一杯で、主任が本社でどんな存在かなんて考えてもみなかった。