「それでは真面目な話から」
「はい」
スーツの上着は脱ぎ、シャツを腕まくりしているとはいえ急に仕事モードの主任みたいに見えた。
こんな服装だけどやっぱり私はしゃきっとして背筋を伸ばし次の言葉を待った。
「何でエプロンをつけた画像が富貴子さんから送られてきたんですか?」
えええええ?
真面目な顔で最初に聞く事ってそれ?
「えと、あー、富貴子さんのおうちで母と三人でお料理をしましょうの会があってですね……」
「なるほど。モモは最近料理にずいぶんと力を注いでいるみたいですが、」
「あ、あの、それは……たまたまです」
「そうですか、たまたまですか……花嫁修業してくれてるのかと思っていたんですが、それは違うようですね」
違うっていうか、違わないっていうか。
花嫁修業って言われると……
「花嫁修業っていうのは結婚決まった人が言うんじゃないんですか?」
「は?決まってないんですか?モモは」
メガネのフレームに手をかけた主任に、ずいっと間を縮められて一瞬後ろに後ずさってしまう私。
「え、と。あ、れ?」
なんか違う事言った?
又間違った?かな?私。
「……あぁすみません。あまりにもモモがわからなすぎるので。つい、」
またでた主任の「つい」
だから「つい」何なんだと私は叫びたいんですが。
「なんかよくわかってなくて、すみません」
「ほんとですね。その謝ってるのも理由もわからずにやってますよね?」
ギクッ
「え、と…そのすみません」
そう言われてもまた謝ることしかできない。
「いえ、私も性急に事を勧め過ぎましたから、こちらにも責任はあります」
「責、任?なんの、ですか?」
責任を取って付き合ってるとか?
まさか、そういうこと?
「モモを手に入れるためにかなり無茶しましたから」
あぁ、そうじゃなくてよかった。
無茶だなんて、そんなことないのに。
「え、いえ、そんな……」
「そこは、手に入れるって私はモノじゃないですとか突っ込むところですよ?」
「え?はい?」
「まぁいいですけど、だから多少は反省してはいます」
主任が反省?
なんで?

