「えと、それで今日の電話のご用件は?」

『あ、そうそう。忘れてたわ、結婚式の日取り決まったの。地元で式はもちろん親戚だけなんだけどね。披露宴ってほどのものじゃないんだけど仲良い人たちでお祝いしてくれる事になって、できたら桃ちゃんと主任にも出席してもらえたらなって』

「とうとう決まったんですね~」


去年には聞いてたけど、日にちも決まると感慨深いというか。

望亜奈さんの花嫁姿なんてきっと素敵だろうなぁ。


『というわけで、案内状送るからね』

「わかりました!ジュンさんが帰ってきたら伝えておきますね?」

『うん、それで相良さんも呼んでるから、くれぐれも主任に伝えておいて?』

「あはは、わかりました。大丈夫だと思いますけどね?」




     *****


それから二カ月後の秋晴れの日。

なんと望亜奈さんは神社で結婚式を挙げたらしい。

その日の夕方にお披露目パーティが地元のなんとアースで開催された。

私とジュンさんはそれに合わせて戻ってきていた。



お店は貸し切りになっていた。

ここは望亜奈さんと海斗さんの出会いの場所。

ここで合コンして望亜奈さんが猛アタックしたんだったよね。



入口で望亜奈さんたちが招待されている人を出迎えてくれていた。


「望亜奈さんおめでとうございます!」

「遠い所ありがとうございます。主任」

「いえ、波崎さんには色々とお世話になってますからね、色々と」


ニヤリと笑い、望亜奈さんとなんだか目配せ?してるみたい。

そうそう、この二人ずっとこんな感じで私だけが疎外感をよく感じていたんだっけ。


「桃ちゃん、東京に行っちゃってるからってメールも電話もあるんだから気軽にね?」

「あ、はいっありがとうございますっ。あ、でも今の所は…」

「そうよね?愛しのダーリンが隣に居るもんね?」


望亜奈さんはそう言って主任の方を見る。

愛しのって言い方になんだかすごく恥かしくなってしまって望亜奈さんに抗議する。


「ちょ…そんな言い方っ」

「ま、あれですね?主任。来年には呼んでもらえるんでしょうか?私もお式に」

「ええ、そのつもりです。結納も済ませましたからね」

「じゃあ、楽しみにしてますね?」