「ジュンさん、ぎゅーってしてください」

「モモは甘えん坊ですね?」


さっきもギュってしてもらったけど、それでもまだ足りない。

もっともっとって欲張りになる。

いつも近くで……ジュンさんの温もりを感じていたい。


「はい。二人の時は。でもひとりになったら強くなれます。この時間があるから」

「そうですか」


甘い雰囲気だったのが、もっと違う、、、なんだろ。

恋人というよりも家族というか。


「モモを食べる雰囲気じゃなくなりましたね?」


少し苦笑いを浮かべるジュンさん。


「このままでジュンさんの事聞かせてください」

「まだ知らない事ありますか?」

「…えと、子供は?この前しばらくはって言ってましたけど」

「あぁ、あれから考え直したんですが、モモにそっくりの子だったら今すぐにでもいいですね」

「えっ、ダメですっ」


その子にジュンさん取られちゃうから。

やっぱりしばらくはひとりじめしたい。

でも、ジュンさんにそっくりの男の子だったら……


「男の子だったらいいですよ?」

「それは、わが子に嫉妬しそうで怖いですね」

「ぇえ、だったら男のこと女のこの双子がいいですね?」

「そんな都合よく出来ればいいんですが」



そして二人で顔を見合せて笑う。


結婚のその先にあるもの。

それが手を伸ばせばもうすぐ届いてしまいそうな場所にある。

ジュンさんと私と、いつか生まれてくるかもしれない子供と。


「モモは頑張りやだからそれも出来るでしょう?」

「レベル上げとは違うんですからそう簡単には…」

「簡単ではないですが、二人で一緒にすれば大丈夫ですよ」


ジュンさんと仲良くなったのはゲーム内でのレベル上げ。

あの時はまさかジュンさん=主任とは思いもしなかったけど。

きっとあの時からずっとジュンさんに惹かれていたのかもしれない。


「これからもずっと一緒にレベル上げしましょうね?ジュンさん」


私はそう言ってからジュンさんの唇に口付けた。

これが私の婚約の誓い。


もちろんそのあとでジュンさんからの熱ーい誓いの口付けを受けたのはいうまでもない。


そしてそのまま結局ジュンさんの熱に溶かされた。