ジュンさんと一緒に家に帰ってくるとその腕に閉じ込められた。


「もう少しで一緒に住めるんですね」

「はい…」


ほっとした。

嬉しい

これから頑張ろう


ジュンさんの温もりの中で思うのは、色んな気持ち。

胸一杯にジュンさんの香りを吸い込む。それだけで幸せだと思う。

しばらくそうやってしがみついたまま幸せを感じていると頭上から聞こえるジュンさんの声。


「モモ?お腹すいてますか?」

「いえ、大丈夫ですけど、ジュンさんは何か食べますか?」

「では……モモを」


え?モモを?
って、おもいっきりまだ夕方ですけど。

それに今日帰るんですよね?ジュンさん。

ジュンさんを見つめてその言葉の意味をもう一度考える。


「モモを食べてもいいですか?」


話し方は一緒なのに、急に声が……


「や、あの…ジュンさん?」

「あぁすみません、NOは受け付けません」

「はいっ?」


そのまま寝室までぐいぐいと押されて連れて行かれる。


ポスン―――

ベッドに私を座らせると


「また二週間会えなくなるのですから充電させてください」


額に瞼に頬に口づけられた。

ジュンさんに触れられるのは嬉しい。

でも、こんな甘い時間を過ごしてしまうと離れがたくなってしまう。


「こうも自分が堪え性がないとは思ってもみませんでした…」

「そんな、」


じっと顔を見たままそんな事を言われると、

私だって触れたいんだけど、でも。後の時間の事もかんがえてしまう。


「それに、言葉だけでなく、心と体でも誓わせてください」


ずるい。そんな事言われちゃったら私だって誓いたいって思っちゃう。

いつの間にかこんなジュンさんの言葉にもすっかり慣らされてしまった私。



左手の薬指には婚約指輪がはめられている。

実家でお母さんにつけて見せてと言われてはめたまま。

この指輪にはたくさんの想いがつまっている。


これからも色んな思いを詰め込んで過ごして行きたい。


お父さんが言ったようにまだまだスタートラインに立ったばかり。


「これからもっとモモの事教えてください」

「私にも色んなジュンさんを見せてくださいね?」


もっとたくさんのジュンさんを見たいから