「え?あのっ、…ジュンさん?」
「はい」
はい、じゃなくてね?
あの、結婚反対されたんですよ?
理由は私が子供だからなんだけど……
「お父さんっ、私っ頑張るからっ、だから…」
このままじゃいけない。
少しずつ自分では前に進んでるつもりだった。
だけど、まだまだ足りないってこともわかってる。
気持ちばかりがどんどん進んでいって、自分はあまり成長していないことが身にしみる。
泣くわけにはいかない。
身から出た錆なんだから。
唇をぐっと噛みしめてお父さんを見ていると厳しい顔のまま口を開いた。
「期間は、一月から三カ月。」
へ?期間?何の?
「堂地さんのお祖母さんの所で修業させてもらいなさい」
「え?」
お父さんを見て、お母さんを見て、最後にジュンさんを見た。
みんな頷いているだけで何も言ってくれない。
「あの…?」
「三ヶ月の間に桃華が成長できたら認めよう」
「お父さ――」
立ち上がってお父さんの首元に抱きつく。
「あらあら。子供みたいね?桃華ちゃん」
「そうだぞ?それにまだ認めたわけじゃないんだからな」
「でもっ、お父さんありがとうっ」
背中をポンポンとされると、子供の頃に戻ったみたい。
お父さんに抱きつくのなんていつ以来だろう?
お父さんのお許しも出たし、頑張らないとって…お婆様の所で修業って?
「あの、修業って?」
「あぁ、富貴子さんの家に三カ月住んで色々教えてもらってね?」
は?住む?
当然のように言うお母さん。
あれ?なんかこの話しってもしかして知らなかったのって……
「富貴子さんには話してありますから、大丈夫です」
お父さんから離れ、そっと振り返ればニッコリ微笑むジュンさん。
あぁまただ。
どういう経緯でこの話しにまとまったのかは知らないけれど、私だけまた事後報告。
っていうか、私本人なのに?!
「聞いてないっっていうか、私にも聞いてっ」
「あら、だって桃華ちゃんずっと忙しくて電話もできなかったでしょう?」
「大事なことなので会ってから話そうと思ってましたが、昨日もモモは寝てしまいましたしね?」
昨日も…って、普通に意識がある時に話してくださいっ