ジュンさんに甘く囁かれトロトロになるまで溶かされる。


「モモ、…話はいいんですか?」


良くないけど、もういいっていうか、無理って言うか…


思考まで溶かされ言葉さえうまく紡げない。


「…ジュンさんが……、」

「私がなんですか?」


私の髪を撫でながら顔を近づけて問うジュンさん。


「……すき。」

「知ってますよ、モモ」


ニヤって笑って言う言葉にさえ喜びを感じる。



だけど、今伝えたいのは、もっと違う言葉。

至近距離で見つめるジュンさんの耳元に口を寄せそっと囁く。



「…あい、…してます」


やっと言えた。

ずっと答えの出なかった気持ちの意味。

好きのその先の気持ち。


アイシテル


目を見て言おうと思ってたけど、やっぱり無理で。

恥かしいから耳元に口を寄せたのに、そんな私を耳から引き剥がすジュンさん。


「モモっ、今の?」

「え、あの…?」


迷惑だった?

愛してるなんていって重かった?

でも私の気持ちはこれ以外の言葉は当てはまらない。


引きはがされた私をじっと見つめているジュンさん。


段々と顔の熱も上がってくる。

その視線から目をそらすように瞼を閉じると。


「モモ?…もう一度」


もう一度?

パチリと目を開き確認するようにジュンさんを見る。


「もう一度目を見ていってください」


真剣なまなざし。


「あ、」

「あ?」


ううう。恥ずかしい。


「続きは?」

「あ、い……」




何この拷問。

ジュンさんは目をそらさずにじっと見てるし、瞬きまでしてないんじゃないのって言うぐらい。

もっと記憶がなくなるぐらい飲んどけばよかった……


「モモ、」


また甘く囁かれてしまえばもう、……



「…愛してますっ」


叫ぶように言ってしまった私に、「色気がないですね」とジュンさんは呟いてから


「…でも、とびっきりのご褒美、しないといけませんね?モモ?」



ご褒美。


そう言った時のジュンさんは容赦がない。

だけどそれを待ち望んでしまっている自分もいる。

だから私は、


「……ご褒美、ください…」


今日ならこの言葉も許される、よね?