彼と愛のレベル上げ

望亜奈さんと飲みに行ったおかげでその日は寝る事ができた。

そして、ジュンさんは携帯が使えない私に、毎日零時前に電話をくれた。

ただ「おやすみ」とだけ言って切る日もあった。それでも私の心の不安は少しずつ解消されていった。




     *****




そして金曜日。

望亜奈さんに「今日、飲み行くから」と声をかけられた。


「くれぐれも残業しないようにね」


年末のこの時期に残業なしって…


「せめて七時で!」


懇願するように望亜奈さんの背中に言葉を投げかけると


「わかった。じゃあ終わったらアース集合ね?」

「はいっ、頑張ります」


私は着替えを終えると髪にクリップを止め気合をいれた。




     *****




そして七時きっかりに事務所を出る事ができた。

アースに着いて名前を言うと個室に案内された。

週末だから?
飲む気満々な感じ?

望亜奈さんたら


「遅くなりましたー」

「あー桃ちゃん、おつかれ~」

「おつかれさまです。あ、私は梅酒を…」


私の飲み物が来ると望亜奈さんと乾杯をした。


今月は、お婆様と夕飯を一緒にいただいてない。

お休みの日のお料理会もお母さんと蜜柑子おばさんと三人でしたとジュンさんから聞かされた。


アースの出し巻き卵もおいしいけど……お婆様のご飯が食べたい。


「桃ちゃん、頼むからその深~いため息やめてくれる?」


そう言われるまで、ため息をついていた事さえ気付かなかった。

無意識って怖い。でも、


「今日は飲んじゃいますよ?」

「どうぞどうぞ。それでストレス解消しちゃってよ。つぶれたらちゃーんと送ってってあげるから」

「うわー珍しいですね?望亜奈さんっ」

「そお?普通でしょ?まぁいいから飲んじゃいなさいよ」


私はこの時気付くべきだったんだ。
個室の意味も、飲めと言われた理由も。