彼と愛のレベル上げ



「俺は認めねーよ?コイツだけは」

「潤にぃっ」


やっぱりわかってもらえない。

どうしてわかってくれないんだろう?


「食事も済んだし、話も終わったから。帰るぞ、桃」

「え?!だって、まだっ――」
「もう話すことなんてねーよ」


吐き捨てるように言う潤兄。

その時、ちょうど横を通った店員さんにジュンさんは声をかけ、素早く会計を済ませると、


「モモ、今日は早く帰った方がいいですよ。明日もまだ仕事が忙しいでしょうし」

「でもっ」


だって、まだ潤兄にわかってもらってない。

最初からジュンさんのこと敵意を持っていたからすぐに仲良くなってくれるとは思わないけど。

それでも、少しは普通に話せるようになって欲しかった。


「ほら、帰るぞ。桃」


そう言って潤兄は立ち上がり「とりあえずごちそうさまです」と嫌々ながらもジュンさんに夕飯のお礼を言う。

そして「先、出てるぞ」と言って潤兄は私の横に置いてあったカバンを掴むとその場を後にした。


一応、ジュンさんと話す時間くれたのかな?


「あ、あの。潤にぃが失礼なことばかり言ってすみませんでした」

「いえ、当然あのような態度を取られる事は予想してましたから」


予想してたかもしれないけど、アイツとかそんな言い方して。

しかもひどい態度だったし。


「でもっ、」

「モモがこの先一緒に居たいって言ってくれて嬉しかったですよ」

「あ、」


さっき勢いで言ったけど。

真実には違いないけど、改めて言われると恥ずかしい。


「モモ、さっき言ってくれた言葉をもっと簡潔な言葉で表してください。今度までの宿題です。それと、家についたら電話をください」

「え?あ、はい?」


何それ?宿題?


「ほら、相良さんがまた呼びに来ないうちに行った方がいいですよ」

「え、あの。家についたら電話しますからっ」



私はそれだけ言うと、席を立ちジュンさんを残して店を出た。

やっぱりジュンさんは大人だなぁ。

潤兄にあんな態度取られても全く動じない。


それに……最後に投げられたジュンさんからの宿題。

今すぐに答えは出そうにない。

家に帰ってからゆっくり考えよう。

そう思いながら潤兄の待つ場所へ急いだ