「私は、……この先の未来、ジュンさんと過ごしていきたい。だから今はそのための準備期間と思ってる。……潤にぃには迷惑かけてるかもしれないけど」
泣いてる時は潤兄が側にいてくれた。
小さい頃もずっと泣いている私の隣にいてくれた。
潤兄のこと、本当の兄のように思ってる。
だけど、だからと言っていつまでも隣にいてもらってはいけない。
「だからっ迷惑じゃねーって」
いつも同じ言葉を言う潤兄。
『迷惑じゃない。俺が好きでやってるんだ』って。
でもそんな言葉にずっと甘え続けるわけにはいかない。私だって十分大人なんだから。
「ううん、潤にぃは優しいからいつもそう言ってくれてるけど、私が甘え過ぎてた」
「…桃」
潤兄の目を見て今はっきりと言う。
ジュンさんも同席しているこの場で、
「だから、潤にぃに心配かけないように私はもっと強くなるからっ」
私がそう言った瞬間、隣にいるジュンさんがそっと手を握ってきた。
テーブルの下で潤兄には見えない。
けれど、その時ジュンさんが私の決意に答えてくれているような気がした。
私は強くなる。
この先ジュンさんが一緒にいてくれる未来のためなら。
「いつも桃はコイツのせいで泣いてるだろ?そんなのもう、見てらんねーんだよ」
コイツって、ジュンさんの方をちらりと見て言う潤兄。
「そ、そんなにいつも泣いてばっかりいるわけじゃないよ……」
たまたまそんな時にいつも潤兄が側にいるだけで。
ちらちらとジュンさんの方を見ながら私は言い訳のように言う。
だけど私は気付いたんだ。
不安になって心が震えるほど苦しくなる。
それが恋のその先の気持ちだって事。
その時ふいにジュンさんが口を開いた。
「相良さん、モモがそちらでだいぶご迷惑をおかけてしてるみたいですね」
テーブルの下のジュンさんの手が一層強く握られた。
「迷惑なんかかけられてない、だいたいあんたにそんな風に言われる覚えもねーよ」
まっすぐ、ただ刺すようにジュンさんを睨みつけ低い声で言う潤兄。
私の気持ちも私の想いも潤兄には伝わらない。
私はどうすればいい?

