「おまたせしましたー」
目の前に飲み物を置いていく店員さん。
「とりあえず、おつかれさま?でいいのかな?」
私が二人の橋渡しをしなきゃって思って精いっぱい考えたけど、それ以上いい言葉が見つからなかった。
「おつかれ」
「おつかれさまです」
三人でグラスを合わせる。
お疲れ様ですっていうのもおかしいけど、それでもよろしくっていうのもおかしいし。それに…初めましてでもない。
潤兄は一気に半分ぐらいまで飲むとグラスを置いた。そして
「堂地さん」
ジュンさんをまっすぐ見て話しかけた。
「今日はお時間ありがとうございます」
「いえ」
潤兄の態度にちょっと面食らったジュンさん。
「いつも桃がお世話になってます」
潤兄のその言葉にピクリと反応し、眉間にしわを寄せたジュンさん。
潤兄は血縁で確かに身内だからそう言う言い方をするのは間違ってはいないんだけど。
でも、そんな言い方したらジュンさんは……
「いえ、こちらこそ。モモがいつも迷惑をおかけしているようで」
あぁ……やっぱり。
全然冷静なんかじゃないジュンさん。
嬉しいやらハラハラするやら。
「率直に申し上げますが……」
一度そこで言葉を切った潤兄。
何、言い出すの?
わざわざ東京まで来て
ジュンさんさんと対峙するような時間を作って
何を言うつもり、なのか?
「これ以上桃を振り回すのはやめていただきたい」
「潤にぃ、何言って――」
「桃は黙って!」
ジュンさんに振り回されてなんていない。私が望んでジュンさんの側にいるのに。
そう言いたいのに、潤兄は私が口をはさむのを拒んだから。
「それで…?」
冷静に続きを促すジュンさん。
その冷静さが潤兄は気にいらなかったのか、少し強い口調で続ける。
「桃はあの街で生まれてあの街で育ったんですよ。あなたはこっちの人間でしょう?あの街に戻るつもりもないのに、いつまでも桃にこだわる事もない。こっちにいくらでもいるでしょう?あなたに相応しい人が」
ジュンさんにふさわしい人……
その言葉が私の心に刺さる。
「……何を言うかと思えば、そんなことですか」
「そんなことっ?!」
声を荒げて言う潤兄。
対してジュンさんは冷静に言葉を続けた

