彼と愛のレベル上げ

まっすぐと私を見ているジュンさん。


「“あの”も“でも”も答えになってませんよね?」

「あ、」


なんて言っていいのかわからなくて、言葉に詰まる。

そんな私にジュンさんは、


「モモは、大丈夫なんですか?」


改めてもう一度答えを求められる。

これは…


「……大丈夫、じゃない…デ…ス…」


真っ赤な顔だってわかってる。


だってこういうしかない。

これ以外の答えはジュンさんは受け付けない。

それに私は……


俯こうとした瞬間、ジュンさんが目を見開いてすぐに顔を赤くしたから……



こんなジュンさん見た事ない。

いつだって私の言う事ややる事に冷静に答えるジュンさんしか知らない。


今日の私はどうかしてるけど

ジュンさんも少し、なんていうか

いつも大人で余裕な態度なのに、今日は違う?



「かないませんね、モモには」



ふっと顔を緩めて言うジュンさん。


かなわないだなんて、それはこっちのセリフですっ

こんなにもジュンさんの一言で翻弄されているのに。


「体が冷えましたから、温まってからゆっくり……」


えと、ゆっくり温まってじゃなくて?

温まってからゆっくり?


言葉の順番変えただけで、だいぶ意味違いますよ?


「あ、と…どうぞ、ジュンさんお先に…」


言った瞬間


「だいたい、別々に入るならモモを先に入らせます。それに、さっきあんな風に答えておいてどうしたらそういう結論に導かれるんですか?」



なんだかんだといつもジュンさんにだまされるように一緒に入浴させられる私。

ゆっくり入れないにしても、一人で入りたいんですけど。

それを望んじゃいけないんでしょうか?


「…えと、お疲れでしょうし。ジュンさんがその方がゆっくり入れるかと思って?」

「しかも、疑問形ですし。答えはNOです。一分でも一秒でも長い時間一緒にいたくないんですか?モモは」



いやいや、一緒にいたいけど。

お風呂は別の話だと思うんですよ?

なんかちょっとかわいい…


「ふふ、子供みたいです。ジュンさん……」


私がそう言ったら拗ねたように横を向いてしまった