昨日、早い時間に寝た私は主任よりも先に目を覚ます事が出来た。
主任はまだ気持ちよさそうに寝ている。
寝てるはずなのに、私を抱きしめるようにまわされた手。
主任を起こさないようにそぉーっと外してその腕の中を抜ける。
抜け出した体を起して主任をみると前髪が額にかかっている。
初日の出を見に行った時には触れたくても触れられなかった。
でも今はこんなに近くにいて、しかも触れようと思えばそれもできる。
とはいえ、こんなこと主任が寝ている今だからこそできるんだけど……
休日にしか見れないその姿にやっぱり触れたい欲求に負けてそっと髪に手をのばした。
「うわぁ、サラサラ……」
うっかり声に出してしまった私のその声にパチッと眼を開ける主任。
――な、なんて目覚めのいい……
「……起しちゃいました?」
「ん、おはようモモ」
「あ、おはよう、ございます……」
そう言ってから髪に触れていた手を離そうとしたら、私の手の上に重ねるようにして握られた。
「もっと触れててもいいですよ?」
「え、あの、ごめんなさ――」
「何で謝るんですか?これはモモの特権なんですから、いつだって触れていいんですよ」
――私の、特権?
いつだって触れていい?
「でもっ」
「ここにはめてくれたのはモモでしょう?」
わたしの手の上から握られていた主任の左手。
その手の薬指にはリングがはめられている。
「モモにつけてもらってから外してないですからね」
「…ぇ」
「モモのモノって証です。それに、虫よけにもなりますしね」
虫よけなんて言葉はどうかとも思うけど、でもそれよりも私のモノって証って。
主任は会ってる時に私が欲しい言葉をいつもくれる。
なのに私は、会えない間にただ不安ばかりを抱えて主任のくれた言葉を忘れてしまっていた。
私の首に下げられたおそろいのリング。
それをいつか主任が私の左手にはめてくれる日がくることを前よりも強く願わずにはいられない。
「…今日はご飯私が作るので、まだ少し寝ててくださいね?」
そう言って主任の頬に口づけを落としキッチンに向かった。
主任はまだ気持ちよさそうに寝ている。
寝てるはずなのに、私を抱きしめるようにまわされた手。
主任を起こさないようにそぉーっと外してその腕の中を抜ける。
抜け出した体を起して主任をみると前髪が額にかかっている。
初日の出を見に行った時には触れたくても触れられなかった。
でも今はこんなに近くにいて、しかも触れようと思えばそれもできる。
とはいえ、こんなこと主任が寝ている今だからこそできるんだけど……
休日にしか見れないその姿にやっぱり触れたい欲求に負けてそっと髪に手をのばした。
「うわぁ、サラサラ……」
うっかり声に出してしまった私のその声にパチッと眼を開ける主任。
――な、なんて目覚めのいい……
「……起しちゃいました?」
「ん、おはようモモ」
「あ、おはよう、ございます……」
そう言ってから髪に触れていた手を離そうとしたら、私の手の上に重ねるようにして握られた。
「もっと触れててもいいですよ?」
「え、あの、ごめんなさ――」
「何で謝るんですか?これはモモの特権なんですから、いつだって触れていいんですよ」
――私の、特権?
いつだって触れていい?
「でもっ」
「ここにはめてくれたのはモモでしょう?」
わたしの手の上から握られていた主任の左手。
その手の薬指にはリングがはめられている。
「モモにつけてもらってから外してないですからね」
「…ぇ」
「モモのモノって証です。それに、虫よけにもなりますしね」
虫よけなんて言葉はどうかとも思うけど、でもそれよりも私のモノって証って。
主任は会ってる時に私が欲しい言葉をいつもくれる。
なのに私は、会えない間にただ不安ばかりを抱えて主任のくれた言葉を忘れてしまっていた。
私の首に下げられたおそろいのリング。
それをいつか主任が私の左手にはめてくれる日がくることを前よりも強く願わずにはいられない。
「…今日はご飯私が作るので、まだ少し寝ててくださいね?」
そう言って主任の頬に口づけを落としキッチンに向かった。