食べられずに無駄にするぐらいなら
誰かに食べてもらった方がいいかもしれない。
「あ……じゃあ、よろしくお願いします」
私は、チョコケーキが入った箱を
松本シェフに渡した。
「はい。お引き取りしました」
松本シェフは、ニコッと微笑んでいた。
私は、その笑顔の意味を理解せずに
ただ無駄にならなかったことにホッとしていた。
その後。
お菓子教室から自宅に帰ると
私は、ベッドの上で、ずっと泣いていた。
悲しくて……ただ泣くしかなかった。
何時間泣いたのだろうか?
窓を見ると暗くなっていた。
どうやら泣き疲れて
そのまま眠ってしまったようだ。
服がよれよれになっていて
目が痛い……。
ベッドから起きると私は、近くにあった
鏡で顔を見てみた。



