「他の女性社員達が、そう言って騒いでいたのよね。
とてもお似合いだったし……私が立ち向かっても
勝ち目が無いわよ。残念だけど……」
自分で言っておきながら虚しくなっていた。
でも、確かにそうなのだ。
いくら頑張ってみてもあんな綺麗で
社長令嬢でもある婚約者の人に勝てる訳ではない。
チョコケーキを作って頑張ったところで
無意味だったのよね。
実感して行く内に涙が溢れてきた。
「チョコケーキ……上手く作れたのにな」
「優奈……」
甘いはずのチョコケーキは、私にとったら
ほろ苦い味になってしまった。
その日は、仕事にならず
私は、早めに早退させてもらった。
情けない……。
そうだ。
あのチョコケーキ無駄になっちゃったけど
持って帰らなくちゃあ。



