だったら……何故あの時
私にkissをしたのだろうか?
少なからず私は、変な期待をしてしまった。
気まぐれ?
だとしても酷い……。
溢れてくる涙を必死に我慢した。
部署に行くと元気のない
私を心配してくれる紗奈恵。
合間にお茶を淹れるために
給湯室で、その理由を話したら紗奈恵も
驚いていた。
「えっ!?社長に婚約者が!?」
「紗奈恵……声が大きい。
うん……居たみたいなんだよね。婚約者が」
急須でお茶を注ぎながらボソッと呟いた。
「えっ……えぇっ!?そんな事って有り?
でも、そうなるとあんた。どうするのよ?
勘違いとかではないの?」
紗奈恵は、混乱気味に言ってきた。
本当に……どうしよう。



