笑って許してくれた。
その心の広さと優しさに
私は、キュンとした。
そうしたらオーブンのクッキーは、
いい匂いを漂いながら美味しそうに
焼き上がっていた。
焼き上がると早速お茶を淹れて
試食してみた。
とてもサクサクで、味も美味しい。
「美味しい……幸せ」
今日も失敗ばかりだったけど
それに負けない美味しさだった。
社長は、そんな私を見ながら
クスクスと笑っていた。
「比崎って、いつも美味しそうに食べるな?
スイーツが好きなのが、こっちにも伝わってくる」
「そ、そうですか?」
一体どんな顔で食べていたのだろうか?
何だか恥ずかしくなってきた。
「さっきまで失敗して落ち込んでいたのにな。
現金な奴……」
うっ……。



