「比崎……お前な……」
ビクッ!!
ど、どうしよう。
嫌だ……代わりたくない。
私は、泣きたい気持ちでギュッと目をつぶり
怒鳴られる覚悟をした。
すると怒鳴られることはなかった。
その代わりため息をされる音が聞こえた。
えっ……?
「まったく。こんなに付けて……だから
大ざっぱだと周りに言われるんだ」
社長は、そう言うと私の顎をグイッと手で
持ち上げるとハンカチで頬を拭いてくれた。
えっ……えぇっ!?
私は、目を開けると目の前に居る社長に
驚いて硬直してしまった。
社長が私の頬をハンカチで拭いてくれた!?



