みよ「注文のハンバーグステーキまだかなぁと思ってね。」

斎藤「まだだよ。今ごろ、厨房で、シェフが腕によりをかけて、ジュウジュウと焼いてらぁ」

みよ「ジュウジュウ?」

斎藤「えぇ」

みよ「えジュウジュウ?」

斎藤「えぇ」

みよ「えジュウジュウ?」

斎藤「いや何突っかかるんだよ。うっとうしいなぁ」

みよ「うっとうしい?初対面ですよ?」

斎藤「初対面…。あー、あなたは!まさか?」

みよ「やっと気づきましたか?」

斎藤「誰?」

みよ「いや気づいてないやないか。」

斎藤「いや、誰なんすか。」

みよ「二週間前に、あなたとお見合いした、渡部です。」

斎藤「うそん。」

みよ「嘘ではない。」

斎藤「だって、顔顔が全然違うやないすか。」

みよ「整形したんです。」

斎藤「整形?」

みよ「いやしてないか。」

斎藤「いやしてないんやないか。」

みよ「いやしたか。」

斎藤「え、したん?」

みよ「わかんなくなった。」

斎藤「わかるやろ!好きな気持ちとか曖昧なやつちゃうねんから、整形したかどうかわかるやら!」

みよ「それが分からないんだなぁ。最近忘れっぽくてさぁ…。」

斎藤「いや、そういう問題ではないからな。全然。」

みよ「全然てことはなかろうもん。ちょっとは譲歩してくれてもよかろうもん。あー、冷たき人」

斎藤「おいが悪もはんもした」

みよ「なに西郷どんやっちょるき」

斎藤「西郷どんやなか。斎藤どんやき。」

みよ「やかましゃ」



おわり