トントン

大ちゃんの部屋の扉を
緊張気味にノックした

『どーぞ』

軽い声がした

カチャッ

扉をあけると
まだ濡れた髪のままの
大ちゃんが立っていた

私は差し入れに
ペットボトルのお茶を
持ってきた

大ちゃんに差し出すと
また私に笑顔をくれた

今は私だけの笑顔なんだ

そう思うと、また胸の
鼓動が高鳴っていった

ドキドキしたまま
ベッドに腰掛けた

大ちゃんは
キャスター付の椅子に
腰掛けた

何を話そう…

そう思っていたのは
その一瞬だけだった

大ちゃんが話し始めた
のをきっかけに
色んな話をした

私が転校してからの
時間を埋めるように

時々目を合わせて
時々笑いながら