声さえかける事も
出来ないでいた

もちろん大ちゃんから
声をかけてくる事も
なかった

淡々と意見交換が
行われていた

私は全く内容が頭に
入らなかった

自分が用意してきた
資料を読み上げるので
精一杯だった

大ちゃんが発表する
その姿に見とれていた

声変わりをして
昔より低くなった声

顔も昔よりは痩せていた

スポーツ刈りの髪型も
今は少し長めに
なっていた

何もかもが、私の
知っている大ちゃんとは全く違っていた

私は彼の目に
どう映っているだろう

そればかりを
気にしていた

何度も鏡に向かって
髪型を直した

メイクも何度も直した