生徒会の集まりで遅くなった帰り道

学校を出て最初の曲がり角を曲がった所に見覚えのある車が停まっていた

正ちゃんの車だった

気づかないフリをして通り過ぎようとした

車から降りた正ちゃんが私の前に立ち塞がった

『何?』

敢えて冷たくした

正ちゃんは何も言わない

『どいて』

私は正ちゃんの脇を通り抜けようとする

『ちゃんと話そうよ』

ようやく正ちゃんが口を開いた

『話す事はないよ』

『いいから乗って』

『イヤ』

『言う事きけよ』

『勝手な事言わないで』

『ちゃんと話そう』

散々やりとりした後私は正ちゃんの車の助手席に乗った

『それで、話って?』

あてもなく正ちゃんは車を走らせていた

『俺、遠距離恋愛なの』

何を言うかと思えば…

遠距離で彼女が傍に居ないからって他の女に手を出したとでも言うの?

言い訳ならもう少し人を気遣って欲しい

いきなり直球で来られたら、うまい返し方がわからない

『ふーん』

それしか言えなかった

助手席に乗った事をとても後悔していた