馨さんのしつこさに負けて、会う事にした

迎えに来た馨さんの車を久しぶりに見た

助手席に乗ると懐かしい匂いがする

私が好きだと言った車の芳香剤の匂いとタバコの匂いがする

うんん

それじゃ、いけない

流されちゃダメだと何度も言い聞かせる

近くの公園の駐車場

あたりは真っ暗

『あいつとやった?』

『単刀直入だね』

『遠まわしは嫌いなんだよ』

私はすべてを打ち明けた

馨さんを忘れようとした行動だった事

正ちゃんが私を救ってくれようとした事

馨さんは黙って聞いていた

時々眉間にシワを寄せて

何かを言って欲しかったのに

ただ頷いているだけの馨さん

自分が話してる事が情けなくなってきた

2人の男に振り回されてこれ以上何が残っているのか

馨さんに話した事で私の心はすっきりした

開き直れた

私を抱きたければ抱けばいい

私を捨てたければ捨てればいい

私なんてどうでもいい