私達に異変が起きた

小2の春の事だった

教室に大ちゃんが居なかった事で、私は図書館に向かっていた

なぜ大ちゃんを探していたのかは覚えていない

だけど私の直感通りに大ちゃんは図書館に居た

『ちいちゃん!』

私に笑顔を見せてくれた

私は優しい笑顔に向けて

『教室に行こ!』

と大ちゃんを誘った

図書館から教室に戻る途中には螺旋階段を通るのが近道だった

でもそこはオバケが出るという噂があった

普段は通らない螺旋階段

大ちゃんは私の手を引っ張って、螺旋階段に向かって歩いていった

大ちゃんが一緒ならオバケも怖くないはず

そんなのは居ないんだ

居たとしてもきっと大ちゃんが守ってくれる

そう思っていた

そう信じていた

螺旋階段を半分まで降りたあたりまで来て大ちゃんが立ち止まった

大ちゃんがいきなり私の方へ振り返った

ん?なに?

首をかしげている私

大ちゃんの顔が私に近付いてくるのがわかる

どうすればいいんだろう

大ちゃんは何を私に求めているんだろう?







チュッ






大ちゃんの温かい唇が優しく私の唇に触れた

私が考えていた余計な事は全て消えていった

大ちゃんが何を私に求めていて、何を考えているのかなんて私の頭の中から消えた

一瞬にして頭の中が真っ白になっていった

優しい唇の感触しか残っていなかった