正ちゃんに救われた

何度もそう思った

正ちゃんに抱かれるとすごく幸せを感じた

馨さんは私を誘う事をしなくなった

忘れた頃に電話をかけてくるのは相変わらずだったけど

正ちゃんが私に気を遣ってくれていたのがよくわかった

何度も正ちゃんと抱き合いながら私は成長していった

だけど、そんな幸せは長くは続かなかった

私1人だけバカを見ていた

ずっと騙され続けていた

仕事で出張なんだと言っていた正ちゃんをデパートで見かけた

走り寄って、声をかけようと思った瞬間足が止まった

正ちゃんの隣で笑顔を見せる女の人

誰?

聞くまでもない

仲のいいカップル

そんな雰囲気だった

私はその場から立ち去った

涙をこらえながら

このまま消えてなくなりたいと心底思った