大介が無造作に
ポケットに手を突っ込み何かをテーブルに置いた

指輪のケースだった

『本当はかっこつけて
レストランで渡そうかと思ったんだけど
緊張してさ…。
格好悪くてごめん』

大介は苦笑いしていた

『開けてみて』

大介は私を見て
ゆっくり頷いた

私は手の震えを
抑えながら
指輪のケースに
手を伸ばした

開けてみると
キラキラ光った
ダイヤの指輪

『大介…』

私が大介の目を
見ようと、顔をあげると
大介は照れ笑いをして

『つけてあげる』

と目を指輪にそらした

私は素直に左手を
大介に差し出した

少しだけ震えていた

私の指にピッタリの
サイズの指輪を
大介ははめてくれた

大介の手が
震えているのが
伝わってきていた

ドキドキしていたのは
私だけではなかった