翌日、大介からの
電話を貰ってから
急いで病院に向かった

平常心で運転する
自信がなかった私は
タクシーで向かった

大介の姿が見えて
私に手招きしているのが見えた

私は息を切らしたまま
大介の元に駆け寄った

大介は私の両肩に
手を乗せて

『落ち着くんだ』

と真剣な顔で言った

『今から俺が奥さんを
呼んで、今夜が山だと
説明する。
その間に千穂は
会ってくるんだ。
時間は少ししかない。
最後にちゃんと
別れを告げてきて』

大介の言葉を
胸に刻むように聞いた

もう看護士の目も
秘書の目も何もかも
気にしていられない

私の心臓はドキドキ
していた

馨さんにさよならを
告げるドキドキだった