私は何をやってるんだ

自分の行動の意味がわからない

これじゃまるで私が馨さんを好きみたい

そんなはずない

そんなはずはないんだ

そう思いながらも馨さんの腕の中で彼のぬくもりに包まれた

優しくキスをして優しく微笑んで優しく私を抱いた

痛くてたまらなくて…

だけど、馨さんの優しさは伝わってきた

涙が出てきた

痛みのせいの涙ではなかったのかもしれない

なぜこの人に初めてを捧げてしまったのかという涙だったのかもしれない

何もわからなくなった

自分の気持ちさえ

『ごめん』

馨さんの言葉の意味は?

痛がらせてごめんね?

それとも、彼氏にはなれないごめんね?

私には理解出来ない

『謝るくらいなら最初からこんな事しないでよ』

『ごめん…』

馨さんはまた謝った

体の関係を持ったらカレカノの関係?

そうはいかないのが大人の世界かもしれない

馨さんには許嫁が居る

私はただの遊びの女?

疑問だけが駆け巡る

それでもまた馨さんの腕枕で眠った

心地よくて、温かい

私にしがみつくように眠る馨さんの寝顔はとても綺麗に見えた

私は馨さんを自分の胸に抱いて眠った