それから2ヶ月

大介は私の部屋に居た

その大介から聞いたのは馨さんが入院した
という事だった

最期を自宅では
迎えたくないと言って
入院を希望したらしい

なぜ自宅が嫌だったかはわからないまま

いよいよ馨さんの
最期が近付いていた

認めたくない現実を
受け入れなければ
いけなかった

大介はあまり馨さんの
事は教えてくれない

ただ入院したから
最期が近いと私が
察しただけ

大介は色んな患者の
最期を目の当たりに
してきたけど
今回ほど辛いのは
初めてかもしれないと
私に背中を向けて呟いた

その背中が震えていた

『千穂は受け入れ
られるのか?』

その疑問には答えず
ただ宙に舞っただけ

そんなの答えられる
はずがなかった