私だけが馨さんの
残りの命が少ないのを
受け入れられないで
いたような感じだった

馨さんが自然に
受け入れているのに
私だけ悪あがきして
いるよう

馨さんは家庭より
仕事より、何よりも
私を気にかけていた

大介の存在が少しは
その気がかりを
和らげていたようだった