『最初は遊びのはず
だったんでしょ?』

『俺に本気になったら
もう会わないつもり
だったけどな』

『ひどーい』

馨さんは笑った

『最終的には、俺の方が本気になってた
みたいだけどな』

そう言いながら、
私の頬にそっと触れた

前にもこんな会話を
したような気がする

別れを決めたあの時に

私たちはもう一度
確かめ合うように
抱き合った

もう離れないと
言い聞かせるように

それから指を絡めて
キスをした

幸せを噛みしめた

このままこの状態が
ずっと続く事を
願っていた

ずっと一緒に居られると確信していた

誰にも邪魔されないと
信じていた

もう別れは訪れないと
思い込んでいた