『それでは、これで』

私は頭を下げて
歩き出した

3人で私の背中を
見つめている視線が
背中に突き刺さる

久しぶりの外の空気は
私をすがすがしい
気持ちにさせた

タクシーに乗り
家へと向かう

手にはまだ馨さんの
温かさが残っていた

私はその手をジッと
見つめていた