それから数日

私の退院が決まった

退院を翌日に控え
私の体は復活していた

私の病室をノック
する音がした

馨さんかと、少し
ドキドキしていた

扉が開いて、顔を
見せたのは、馨さんよりもっと驚く人だった

驚きで声も出ない

体がフワフワと
宙に浮く感覚がした

しばらく見つめ合った

『千穂、大丈夫か?』

その優しい声に
私はベッドから
起きて、立ち上がり
抱きついた

『大介!』

大介は拒む事なく
私を抱きしめた

大介は私の頭をなでて

『辛かったな。
色々聞いたよ』

と言った

わたしは顔を上げる事も出来ずに、大介の
胸に顔をうずめていた

私は大介の胸で
ただ頷いていた

ようやく我に返って
大介に質問をぶつけた

『何で大介がここに?』

大介の顔を見て
ちゃんと全身を
見てなかったけど
大介は白衣を着ていた

ネームプレートも
付けていた

『ここの医師だから』

大介の夢が叶ったんだ

私は自然に喜んだ